クラシック音楽館をいくつか撮りためていて、そろそろ消さなければならないので、内容を記録するとともに、感想なども残しておこうかと思います。
クラシック音楽館で好きなのは、リハーサル風景やそのときの指揮者の指示などに触れられたり、指揮者や奏者のインタビューなどが聞けることです。
それもちょっと残せたらなぁと思っています。
オーケストラでつなぐ希望のシンフォニー第2夜
オーケーストラでつなぐ希望のシンフォニー 群馬交響楽団
ベートーベン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
ベートーベン:バレエ「プロメテウスの創造物」から 終曲
指揮:高関 健
管弦楽:群馬交響楽団
2020年9月17日(木) 会場:高崎芸術劇場
群馬交響楽団
群馬県高崎市 高崎芸術劇場を拠点に活動しています。
指揮は1993年から2008年まで音楽監督を務め、現在名誉指揮者の高関健です。群馬交響楽団のはじまりは1945年戦後の荒廃のなか音楽の喜びを分かち合おうと市民がつくったアマチュアオーケストラの高崎市民オーケストラでした。この群馬交響楽団がモデルとなった映画「ここに泉あり」。オーケストラが地元の人と触れ合いながら成長する姿を描き、日本中に知られました。
中でも力を入れている活動が、およそ70年間つづけている移動教室。これまで641万人をこえるこどもたちに群馬交響楽団の音楽を届けています。
高関健さんのインタビュー
群馬県民の皆さんほとんどが子供のころ群馬交響楽団の演奏を聴いているはずなんですね。そういったことがあって、その中で群響が活動できているということが、他の日本のオーケストラにはちょっとないところだという風に思います。そういったところで、はじめて音楽を聴く人たちに、音楽の素晴らしさを届けられるという、それは特別楽しいし嬉しいことでしたしね。
群響にとっても今年は創立70周年の節目の年(2020年のことです)、しかし新型コロナの影響で公演が中止や延期となりました。そんなとき群響を勇気づけたのは、移動音楽教室を聴いて育った地元ファンからのメッセージでした。
コンサートマスター 伊藤文乃さんのインタビュー
本当に地域に根付いていて、本当に昔から群響のファンという方がたくさんいらっしゃるんですね。おらのまちのオーケストラ頑張れみたいな。お客様が本当に温かいんですよね。本当にありがたいなと思います。
今回演奏するのはベートーベンが生涯お気に入りだったという交響曲第3番「英雄」。第1楽章に何度も登場する大事なテーマがあります。
第1主題 ミーソミージ ミソシミー
主席ホルン奏者 濱地宗さんのインタビュー
ベートーベンのすごいなとおもうところは、全然彼はメロディーメーカーじゃあないんですよね。今回もミソシだけで、ミソシミソシだけで曲を書いているので本当にすごいなと思いますね。
ミソシだけで壮大な英雄の物語を紡ぎ出す交響曲第3番「英雄」の魅力とは。
高関健さんのインタビュー
やはりそのベートーベンが一番力を入れて作曲をしたのではないかなぁと私も思っているものですから。3番の場合はベートーベンが最も脂が乗りきっている時期の作品なので、いろんな意味で、今までとはひとつ違うものを作ろうというはっきりとした意思が見ていると思います。
主席ホルン奏者 濱地宗さんのインタビュー
やっぱり力強い、重々しい葬送行進曲もありますし、人の歩みに沿っている曲かなと思いますので、僕らもこの英雄のテンポに沿ってウィズコロナをポジティブな気持ちを持って歩んでいければなと
感想
群響を初めて知りました。地域に密接したオーケストラなんですね。そういう楽団のある地域はとても幸せだと思います。文化の拠り所って大事ですよね。
「英雄」は聞くたびに、いい曲だなぁと思います。数少ない私がオケに参加させてもらったときにやった曲の1つ。第1楽章だけでも本当に多彩な音があるなぁと思います。
ホルンの音がとても優しいなと思いました。第1楽章のそれこそミソシミソシのトリオのところ、ちょっと聞いたことのないというか、想像にない響きでした。
第2楽章はもっと響きや表現が美しい方が好みです。ビオラが「ターーラーラーラー」と弾き、それをヴァイオリンが追いかけるところが好きです。いろんな表現があるなぁとしみじみとします。しかし、聞こえてほしいところが聞こえてこないバランスが気になってしまいます。というか、私がスクロヴァチェフスキのベートーベン聞きすぎて、そっちのバランスを求めてしまうからかもしれませんけど……。メロディ的なところは埋もれてほしくないなぁなんて生意気なことを感じました。というか、オーボエの響きがやたらと遠く、フルートが近いのは録音のせいかも。第3楽章もそんな風に聞こえたので…。
『バレエ「プロメテウスの創造物」から終曲』は、そういう曲があるという知識はなかったのに、どこかで聞いたことがある曲でした。
オーケーストラでつなぐ希望のシンフォニー 九州交響楽団
ベートーベン:交響曲第4番 変ロ長調 作品60
ベートーベン:序曲「レオノーレ」第3番 作品72
指揮:小泉 和裕
管弦楽:九州交響楽団
2020年10月4日(日) 会場:アクロス福岡 福岡シンフォニーホール
九州交響楽団
福岡県福岡市、アクロス福岡を中心に活動してきた九州交響楽団です。
指揮台に上るのは2013年から音楽監督を務める小泉和裕さんです。
九州交響楽団は1953年の創立です。九州唯一のプロオケとして福岡県を中心に九州各地に音楽を届けています。
そんな楽団の魅力とは、とにかくアツイということのようですが、どんな楽団なのでしょうか。
コンサートマスター 西本幸弘さんインタビュー
やっぱり力強さというのがありますね。合わせにかかるのではなくて、合ったときに「よし来た!」というような力強さですね。
首席オーボエ奏者 佐藤太さんインタビュー
その地域の風土っていうんですかね。九州の山笠みたいなそういうお祭りだったりとか、そういうのが好きな県民性というか、そういう影響を少なからず受けているんじゃないですかね。
今回演奏する交響曲第4番。有名な「英雄」と「運命」の間にあることから、二人の北欧神話の巨人に挟まれたギリシャの乙女(byロベルト・シューマン)とも評されます。
ベートーベンが交響曲の原点に立ち返って作曲したという魅力あふれる名曲です。
小泉和弘氏のインタビュー
オーケストラにとっては非常に難しい場所がたくさんあるんですね。木管のソロも多い、弦楽器も早い音符、16分音符とか多いしで、よく歌わなきゃいけないといういろんなキャラクターがありますので。
この出だしが非常に特徴的だと思います。非常に不安定な中で曲が進んでいって、アレグロに入っていくという…。
第4番はそれまでの交響曲と異なり、神秘的な序奏ではじまる。
こういう出だしで序奏があるというのは、ある意味ベートーベンも進化していって、こういう曲になったんだと僕は思いますけども
実はこの第4番、今年(2020年のこと)3月の東京公演で披露する予定でしたが、コロナで中止となりました。楽員たちも待ちに待ったこの曲を九州交響楽団の熱い心を込めて演奏します。
首席オーボエ奏者 佐藤太さんインタビュー
東京とか離れたところのお客様に、交響曲4番とか届けたかったのですけども、まぁコロナで残念ながら叶わなくて、今度はコロナが収まったらぜひ福岡まで遊びに来てねという意味だったり、リベンジというかやってるぞということをお伝えできるチャンスという風に前向きにとらえて、今回も頑張りたいと思います。
感想
ベートーヴェン:交響曲第4番
ベートーベンの交響曲第4番は、のだめでも千秋先輩が本番で冒頭を振り間違えた曲。実際に「出だしが特徴的」と聞くと、ちょっと嬉しくなりました。
アツイ演奏、楽しみでしたが、アツイというか、カッコイイ!弦の迫力が、心地よくてわくわくして、伸びやかさも、音の切れも好きです。第1楽章の終わりに、思わず拍手をしたくなりました。第2楽章は美しかったけれども、ここ最近自分が音の入りを指摘されることが多かったからかもしれませんが、金管楽器の入りのミスが気になってしまったのがつらかったです。たぶんホルン。でも、こちらのホルンさんは、私の好みの音色でした。
こちらの楽団さんの響きで5番とか聞いてみたいなと思いました。
ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番
「おーれは、ジャイアーン」って歌いたくなる曲で覚えている一曲。
一番の盛り上がりのTpは合ってたのかな。そして、バンダのトランペットがとっても印象的でした。
そして、クライマックスに向かっての盛り上がりは、とってもかっこよかったです。ホルンが超カッコイイ。こんないい曲だったのか。いつも途中で退屈してしまうのですが……。よい演奏でした。
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