クラシック音楽館をいくつか撮りためていて、そろそろ消さなければならないので、内容を記録するとともに、感想なども残しておこうかと思います。
クラシック音楽館で好きなのは、リハーサル風景やそのときの指揮者の指示などに触れられたり、指揮者や奏者のインタビューなどが聞けることです。
それもちょっと残せたらなぁと思っています。
N響演奏会 ロシアプログラム
NHK交響楽団 第1934回定期演奏会から
プロコフィエフ:バイオリン協奏曲第1番 ニ長調 作品19
ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 作品27
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
管弦楽:NHK交響楽団
バイオリン:レティシア・モレノ
2020年2月5日(水) 会場:サントリーホール
プロコフィエフ作曲のヴァイオリン協奏曲第1番は、1917年、20代半ばの作曲家が第1次世界大戦さなかに書き上げた作品です。当時のロシアでは戦争に苦しむ労働者が帝国打倒のために立ち上がり、革命が勃発していました。
今回のソリスト、レティシア・モレノ。世界の様々なオーケストラと共演してきた彼女にとってこの曲の魅力はいったいどこにあるのでしょうか。
モレノさん インタビュー
プロコフィエフの音楽には、時代の影響が色濃く反映されています。しかし、そのまま描くのではなく、第三者として傍観しているようなところがある。ショスタコーヴィチも想像力に満ちた作曲家。しかし、現実をしっかりと見つめていた。自分が置かれている状況への怒り、苦しみがそのまま作品に表れています。
プロコフィエフは全く逆です。バイオリン協奏曲第1番を書いたのは、昏く混とんとした状況から逃避するため。身の回りで起きていることを材料に、夢物語を創作したのです。こどもが空想の世界に浸るのと同じような感覚ではないでしょうか
この曲は近代的な響きのなかにも、ロシアの伝統音楽や民族性が息づいているのが特徴。
使われている音楽表現はほかのバイオリン曲とは異なります。妖怪バーバ・ヤガーなど民話の恐ろしいキャラクターがたびたび登場。時代の影響もあり、機械のような、軍隊を思わせる響きもある。きわめて特異な楽曲です。神秘的で斬新。そして野蛮。実に衝動的です。わずか20分でこれらすべてを経験できるのです。
後半はラフマニノフの交響曲第2番。雄大でロマンあふれる旋律がひかる、ラフマニノフの代表作です。
パーヴォ・ヤルヴィ氏 インタビュー
20世紀で最も人気があるロマンチックな交響曲の1つ。
この曲は1907年ロシア革命前の帝政末期に作られた。失われゆく時代を慈しむような曲想はポップスなどにも引用され広く愛されている。
頻繁に演奏される曲で緻密かつ長大な構成に天性の才能を感じます。私はラフマニノフが大好きです。内容に深みがあり、典型的なロシアの作曲家です。
パーヴォとN響は2005年にもこの曲を演奏しています。共演を重ね、互いに理解が深まった今より緻密な音楽づくりができるといいます。
優れたテクニックをもつN響ふさわしい曲です。全体のアンサンブルがすばらしい。技術的な問題がないので音楽に没頭できます。
音楽のフレーズや細かいアクセントなど強調したいところに集中できます。N響の長所を生かす理想的な作品ですね。
感想
プロコフィエフ:バイオリン協奏曲第1番 ニ長調 作品19
入りのヴァイオリンの厚みのような重みに引き込まれて、そのまま聞き入ってしまいました。いろんな響きが聴けるかっこいい曲でした。途中で弦の音が本当に人の歌声のように聞こえて、コーラスを探してしまったり、迷いと混とんの中でフルートの音が、美しい鳥のさえずりのように聞こえたりと不思議な曲でした。
ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 作品27
映画音楽のような聴きなじみがあり様々なドラマティックさやロマンを感じる美しい曲だと思います。人気があるのがよくわかります。いろいろCDは聞いたことがありますけど、その中でもこの演奏は好みの部類に入るなぁと思いました。何がとはうまく説明できないんですけど、ドラマティックの付け方とかホルンの聞こえ方とかなのかなと思います。3楽章のしっとり感と4楽章の疾走感がとても好きです。何回聞いても飽きない、名曲の名演奏だったと思います。
個人的に確認した奏者
コンマス 篠崎史紀
チェロ 藤森亮一
フルート 神田寛明
ホルン 福川伸陽/勝俣 泰/木川博史/野見山和子
トランペット 長谷川智之
コンサートα
「この道」 山田耕筰作曲 北原白秋作詞
「四行詩」 泉谷閑示作曲 中原中也作詞
「或る夜のこころ」 中村裕美作曲 高村光太郎作詞
「小さな空」武満徹作詞作曲
ソプラノ:小林沙羅
テノール:山本耕平
ピアノ:河原忠之
2020年1月25日(土) 棚倉町文化センター 倉美館
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