クラシック音楽館 2022年1月16日(日)放送

クラシック音楽館をいくつか撮りためていて、そろそろ消さなければならないので、内容を記録するとともに、感想なども残しておこうかと思います。
クラシック音楽館で好きなのは、リハーサル風景やそのときの指揮者の指示などに触れられたり、指揮者や奏者のインタビューなどが聞けることです。
それもちょっと残せたらなぁと思っています。

N響演奏会 

NHK交響楽団 第1943定期演奏会

ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンチック」


指揮:ファビオ・ルイージ
管弦楽:NHK交響楽団


2021年11月18日 (木) 会場:東京芸術劇場

次期首席指揮者(2022年1月当時)ファビオ・ルイージの

ファビオ・ルイージ氏 インタビュー

この演奏会は重要です。私のプログラム構成の主軸の一つ、オーストリア・ドイツ後期ロマン派の音楽だからです。ブルックナーの4番を選んだのは、人気もあり、重要であると感じているからです。N響の能力と大きな特質を見せるのに、最適な曲の一つではないかと思うのです。

ファビオ・ルイージ氏はドイツ音楽に精通。

(次期首席指揮者として)N響はドイツ音楽を演奏してきたすばらしい伝統があります。私の前任者の多くは、このタイプの様式のスペシャリストでした。例えばサヴァリッシュやスウィトナー、ブロムシュテットが多大な影響を与えました。今後のうろグラムの中心軸はブルックナーの交響曲、ブルックナーの時代と関係の深い、ブラームスやマーラーやフランツ・シュミットも再登場する予定です。
私の構想の中で重要なのは、N響の偉大なレパートリーに少し回帰するということです。

(リハーサル中)ブルックナーは和音ではなく、流れを意識して歌うように演奏するのが不可欠です。

(ブルックナーについて)何よりも私の琴線に触れるのは、この作曲家の抒情的な感性です。旋律の抑揚のみならず、独特の歌うような表現があります。ブルックナーは非常に宗教的な作曲家でつまりカトリック的でした。彼の歌心はカトリックの声楽の系譜に組み込むことができるでしょう。それはヨーロッパの南のカトリックの特徴で、イタリア人の私の気質にも非常にしっくりきます。ブルックナーの宗教性は厳格なものではなく、甘く美しい音も彼は決して忘れていないのです。
若いころには近寄りがたい作曲家でした。ある種の成熟を要求するからです。音楽だけではなく、人としての成熟、人生経験が必要です。(若いころ)すぐにブルックナーを追い求めましたが、本当の意味で私が彼に近づいたのはここ20年のことです。それはこの作曲家の精神や感性の中を旅するようなもので、彼の密度や熱量には常に驚かされますが、それこそが音楽家としての私を成長させてくれます。ブルックナーの私の関係こそが、より優秀な音楽家になるために私を助けてくれたのです。

個人的に確認した奏者

コンマス 白井圭
ヴァイオリン
ヴィオラ 
チェロ 藤森亮一/辻本 玲
フルート 甲斐雅之/神田寛明
オーボエ 吉村結実/池田昭子
ファゴット 水谷上総/宇賀神広宣
クラリネット 松本健司/伊藤 圭
ホルン 今井仁志/福川伸陽/石山直城/勝俣 泰木川博史/庄司雄大/野見山和子
トランペット 菊本和昭/長谷川智之
トロンボーン 古賀 光/新田幹男/?川武典黒金寛行
チューバ 池田幸広

感想

ブルックナー:交響曲第4番

インタビューの中にあった、「ブルックナーの宗教性は厳格なものではなく、甘く美しい音も彼は決して忘れていないのです。」という言葉が、とても腑に落ちました。
私自身はカトリックではありませんが、宗教的な響きに惹かれるところはあり、それ以上に、その中にある美しさに心を動かされます。

それにしても、この曲の冒頭のホルン一本……やはり毎回、怖いなぁと思ってしまいます。
でもその音が響いた瞬間、宇宙や空間の広がりを感じさせてくれるんです。
今回の演奏でも、今井さんのホルンの音がその世界を描いていて、本当に美しかったです。

そしてブルックナーといえば、もっと“ガツン”とホルンが来てほしいな?と思っていたら、ちゃんと来ました。段階を踏んで、しっかりと用意されていたんですね。さすがです。
木川さんのホルンは、赤ベルでしたね、これまた姿も音も美しい…。
ホルン吹きのひいき目かもしれませんが、カメラが注目していないところでも、ずっとホルンの大事な音が鳴っていた気がします。ブルックナーの中のホルンって、なんていうか、空間を満たして空間ごとに空気を変えるというような役割をしているのかもと思いました。

あるときテレビで、教会の中でブルックナーが演奏されているのを見たのですが、その響きに鳥肌が立ちました。
ホルンの音が全体に荘厳に響き渡り、空間を渡っていく。「ああ、ブルックナーはこういう響きを求めていたのかもしれない」と思いました。
私がホルンを吹くからなのかもしれませんが、ブルックナーの音楽ではいつもホルンが“大事なこと”をしている気がしてなりません。

それから、ファビオ・ルイージ氏の指揮姿はやっぱりカッコいいですね。
数年前に初めて見たときは、「ルイージ」と聞いて思わず“マリオの弟”を連想してしまいましたが(笑)、年を重ねるごとにますます紳士的で素敵な方になっている印象です。
……はい、ちょっとミーハーな感想でした。
そして、N響と一緒に北近畿に足を運んでくれたいい人です(笑)

コンサートα

NHK交響楽団 1527回定期公演

レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」
ドビュッシー:交響詩「海」1海の夜明けから真昼まで 3風と海との対話


指揮:ファビオ・ルイージ
管弦楽:NHK交響楽団



2004年11月19日 NHKホール

ファビオ・ルイージがN響定期演奏会初登場の回

感想

このころは「マリオの弟か」と思って、名前を憶えていたんですよね?。
2004年。わお。ホルンに松崎さんがおられるヨ。まろさんもお若い。

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