
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団
2011年10月21日(金) 19:00開演
会場:ザ・シンフォニーホール
指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
管弦楽団:ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団
◆ モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」
◆ブルックナー:交響曲 第4番 変ホ長調 「ロマンティック」
読売日本交響楽団の正指揮者としてのラストコンサートから、もう2年ぐらい経ちましたね。
あのブルックナーの第8番を、「ラストだ」と胸に刻み込みましたが……だってザールブリュッケン(前に聞きに行った時以降合併、ずいぶん長い名前になられました……)と一緒に来日するんだっていうから、しかも大阪で公演してくれるっていうから!!
大阪に…いや、日本に来てくれてありがとう!!みなさん!!
ってことで、行ってまいりました。
今回はちゃんと余裕をもって準備しようと余裕を持ちすぎて、開場20分前についてしまったのですが、もう既に外で待っておられる方々がいらっしゃいました。
その中で、おなかがなるといけないからとコンビニで買ったおにぎりを黙々と食べていたのは、私です。
6時開場。ステージはリハということで、席にはまだ入れませんでしたが、ロビーにいるだけでワクワク。
ああいうところってちょっと高級感あって、いるだけで非日常的ですね。シャンパンとか飲んだら最高だったのでしょうけど、帰りは車ですから我慢我慢。
早めに席について、ぼーと。目をつぶってちょっと寝てみたりして待ちましたとも!体調万全です!!
もう、みなさんステージに入ってくるのを見るだけでワクワク。
そして、2年ぶりのスクロヴァチェフスキ氏!! それだけで涙がじわっと。
お年を召されたなぁ・・・。だって88歳だもの。でも、お元気そうでよかった。
一曲目はモーツァルトの「ジュピター」。スクロヴァチェフスキ氏の指揮で聞いてみたいと思っていた曲です。
冒頭から、弦の音がとてもやわらかくて。ふわっとしていて、すごく幸せな気持ちが降り注いでくるようでした。
第2ヴァイオリンの方が(私、チェロの前ぐらいに座ってたので、ヴァイオリン奏者のお顔がよく見えました)、スクロヴァチェフスキ氏を見上げる表情が、本当に幸せそうで、なんかとてもほほえましかった。
コンマスさんは、読売のコンサートでコンマスされてた方じゃないかしら。あの紳士っぷりは拝見したことがありました。
ちょっと4楽章がハラハラしてしまいましたが、空気が気持ち良いモーツァルトでした。
休憩はさんで、ブルックナーの第4番。
スクロヴァチェフスキ氏の演奏会でのブルックナーは、これで0、3、4、8……まだまだ聞いてないのがありますね。
ブルックナーの第4番。ホルンはとても恐ろしい曲ですね。冒頭のホルンに拍手しかけました。すごい集中力に学ばせていただきました。
金管も破たんせず、シンバルはいい仕事をして、本当にいい、安心する演奏を聞かせていただいて、心から感謝しました。
スクロヴァチェフスキ氏が時々前のめりに小さく指揮を振られるんですが、その姿が、まるで光を降臨させようとしているかのように見えました。
そう、スクロヴァチェフスキ氏のブルックナーって、いつも何か光を呼んでいるようなイメージがあります。
それはいわゆる「神」というものなのかなと思うんですが、基本仏教徒なので、軽々しくそう称していいのか悩むところです。
けど、上から注ぎ込む光をなんどか感じることがあります。
今回は、とても大きな光を招こうとしているのを見ているような気分になりました。
すごく大きな光ではなかったけど、ときおり注ぎ込む光を感じました。
今思い出しても、涙が出そうになります。音楽に対する真摯な姿勢で、心を震わせてくれるから、何度も何度も通いたくなるんだなぁと思います。
そして、今回の演奏会は、指揮者がタクトを降ろすまで拍手が起きませんでした。
音が終わり、ふわりと会場を巡って、そして、拍手。私は思わずその間に息をもらしてしまったので、隣の方には迷惑になっちゃったかなと思うぐらい静かでした。
拍手は鳴りやみませんでした。何度も何度もステージに現れるスクロヴァチェフスキ氏と、オーケストラの皆さんに拍手を送り続けたかった。
最後は、いつも通り(笑)コンマスの手を引いて、ステージを出られたのですが、そのあとも残っていた観客の拍手はやまず。
最後にスクロヴァチェフスキ氏だけ出てきてくれて、 残っていた観客の拍手にこたえておられました。
あの瞬間がとても好きです。みんなスクロヴァチェフスキ氏が好きなんだなぁと思います。あんな最後まで指揮者をたたえるコンサートを、他に見たことがないんです(もしかしたら、もっとほかの有名な指揮者さんだったらあるのかな)。
ブラヴォーと、「ありがとう」が入り混じった歓声と、それにこたえるスクロヴァチェフスキ氏。
私もそっと「ありがとう」とつぶやきました。
日本に来てくれてありがとう。
大阪に来てくれてありがとう。
そして、いつまでもお元気で。
そして、また来てくださいね!
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