クラシック音楽館をいくつか撮りためていて、そろそろ消さなければならないので、内容を記録するとともに、感想なども残しておこうかと思います。
クラシック音楽館で好きなのは、リハーサル風景やそのときの指揮者の指示などに触れられたり、指揮者や奏者のインタビューなどが聞けることです。
それもちょっと残せたらなぁと思っています。
番組前半の内容
第1925回 定期公演 Aプログラム
ステンハンマル:ピアノ協奏曲第2番ニ短調作品23
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
ピアノ:マルティン・ステュルフェルト
管弦楽:NHK交響楽団
2019年11月16日(水) 会場:NHKホール
ステンハンマルはここ最近ブロムシュテット氏がよく取り上げている母国スウェーデンの作曲家。
ソリストもスウェーデンを代表するソリスト マルティン・ステュルフェルト。
ブロムシュテット氏がこころから愛してやまない。
深い音楽的解釈から導かれた円熟の演奏。
ステンハンマル:ピアノ協奏曲第2番ニ短調作品23
ステンハンマル(1871?1927)は後期ロマン派の作曲家で、すぐれたピアニストでもあった。
マルティン・ステュルフェルト氏のインタビューより
ステンハンマルの特徴はスウェーデンの民謡に由来するサウンド。
例えば第3楽章のピアノソロ部分。
マエストロとも話したが、ピアノとオーケストラ双方を巧みに生かした楽曲だ。構造もアイディアもとても変わっている。
冒頭ピアノが曲の主たる調のニ短調で短い旋律を提示すると、オケはまるで反対意見を唱えるかのように短く応える。
ピアノはニ短調。オケは嬰ハ短調。大きくかけ離れた調性。第1楽章を通して異なった調で演奏する。とても変わったアイディア。私の知る限りこんな曲は他にない。
終楽章でようやくピアノがオケと同じニ長調になる。ピアノが多彩なオーケストラの音色のひとつとなって見事に混ざり合う。オーケストレーションが絶妙だ。
協奏曲というより交響曲だ。
ステンハンマルはスウェーデンが世界に誇れる最大のスター。
私たちにとって大事な曲をマエストロと演奏出来てうれしい。
個人的に確認した奏者(間違えてるかもごめんなさい)
コンマス 篠崎史紀
ヴァイオリン 森田昌弘/降旗貴雄
チェロ 藤森亮一
フルート 甲斐雅之
クラリネット 松本健司
ホルン 福川伸陽/石山直城/木川博史/野見山和子
トランペット 菊本和昭
感想
ステンハンマル:ピアノ協奏曲第2番ニ短調作品23
インタビューで調のお話があったので、調に注目して聞いていたら、なかなか面白いなぁと思った。
どんどん爽やかで幸せな気持ちになっていくというか……。
ピアノだけがガーンっと来るというわけではなくて、オーケストラと一緒に演奏しているという雰囲気があったり。
きれいなピアノ協奏曲だなと思いました。
あと、ピアノを弾いておられる姿が、ときどき「ゲイリー・オールドマン!?」って思いました。3回ほど。
ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90
ブロムシュテット氏がインタビューでお話されていた「春ではなく秋の音楽です」という言葉が、すんっと心に収まって気持ちが良い。
特に第3楽章は秋から冬への少し染みる寒さのようなものを感じます。紅葉も散り始めるようなね。
そして、北野武監督の「HANA-BI」の曲を思い出してしまう。もの悲しいワルツ。
第4楽章は冬にも片足つっこみそうな感じです。
あ、コントラバスがいつも見る方向とは逆だ(ステージ向かって右)
なんか、ホルン調子悪いのかな。ときどき「?」って思ってしまった。
福川さんのホルンはシルバーかな。
最後にブロムシュテット氏が一人ひとりをねぎらおうとしているのに感動してしまった。
福川さんとエアグータッチみたいなのもかわいかった。
番組後半
2019年11月に76歳で亡くなったマリス・ヤンソンス氏をしのんで。
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」第3楽章第4楽章
管弦楽:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
2004年11月12日NHKホール
ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2006より
エドゥアルト・シュトラウス:ポルカ「電話」
ヨハン・シュトラウス:ラデッキー行進曲
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
2006年1月1日ウィーン楽友協会大ホール
マリス・ヤンソンス
マリス・ヤンソンスはラトビア出身。父アルヴィドも著名な指揮者だった。
レニングラード音楽院で学んだあと、スワロフスキーやカラヤンに師事。
1971年に当時のレニングラード・フィルでムラビンスキーのアシスタントとなり、1999年まで同楽団と密接な関係を築いた。
オスロ、ロンドン、ピッツバークなど世界的なオケのシェフなどを経て、2004年から2015年までロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者を務めた。
エドゥアルト・シュトラウス:ポルカ「電話」
エドゥアルト・シュトラウスはヨハンの弟。
これは楽友協会の技術者が集まる舞踏会のために書かれた作品。
当時開発されたばかりの文明の利器を題材にしている。
※電話の発明は、特許の関係でエジソンがしたのか、ベルがしたのかととややこしいことになってたみたいですが(私の中ではベルだと思ってた。ベルだし)、1871年イタリアのアントニオ・メウッチが発明したと2002年、アメリカ合衆国議会で決めたらしいです。
ポルカ「電話」の作曲はwikipediaの作品番号のあたりを見てたら、1878年あたりかな?
ヨハン・シュトラウス:ラデッキー行進曲
コンサートを締めくくるおなじみの曲。19世紀屈指の軍人として名高いラデッキー伯爵をたたえて書かれた作品
感想
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」第3楽章第4楽章
すごくよく聞く感じのチャイコフスキーの第6番の演奏の雰囲気だなぁと思って……。
この最後の死にそうな感じな終わり方がほんま好き。マリス・ヤンソンス氏の最後の表情もとても素敵だった…。
マリス・ヤンソンス/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団/チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」のCDは
エドゥアルト・シュトラウス:ポルカ「電話」
ヨハン・シュトラウス:ラデッキー行進曲
やっぱりニューイヤーコンサートの曲というのは華やいで幸せな気持ちになりますね。
奏者も指揮者も観客もみんな幸せそう。中学生のとき冬休みの宿題で「ニューイヤーコンサート」の感想を書くというのがあって、私は吹奏楽部員だし父もクラシック好きだったからまぁまぁ聞いたけど、それでも宿題だからあまりいい思いをせずに聞いたなと。正月のあの時間帯なんて、裏番組が楽しいのあっただろうし、他の人には苦痛だっただろうなぁというのを毎回思い出します。(ビデオもそんなに今ほど便利ではないし、もちろんネットなんかないから見直し配信なんてないしね)
今年(来年か)はなんかワインでも片手に楽しもうかな。
電話の演出はなんかの番組でもみたなぁ。マリン・ヤンソンス氏のあのコミカルな演技はずっと語り継がれていくんだろうなぁ。
ラデッキーの手拍子もお客様が待ってました!って感じで、本当に幸せそうな空間だった。やはり素敵だ。
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