
2024年3月3日(日)
ハーモニーホールふくい 大ホール
【ホルン&オルガン】
交響曲第7番からAdagio ブルックナー(大橋晃一編曲)
コラール「今ぞ喜べ、愛するキリストのともがらよ」BWV734 J.S.バッハ(鈴木優人編曲)
コラール「目覚めよ、と呼ぶ声あり」BWV645 J.S.バッハ(鈴木優人編曲)
Romanissimo -ブルックナー交響曲第4番による- 鈴木優人
【金管五重奏&オルガン】
トランペットチューン パーセル(ビンドナー編曲)
主よ、人の望みの喜びよ(BWV147から) J.S.バッハ(ビンドナー編曲)
グロリアRV589から ヴィヴァルディ(ヴォレス編曲)
交響曲第3番「オルガン付き」から サン=サーンス(大橋晃一編曲)
【アンコール】
ピエ・イエズ フォーレ
グロリアRV589から 終楽章 ヴィヴァルディ(ヴォレス編曲)
【出演】
福川伸陽(ホルン)
鈴木優人(パイプオルガン)
佐藤友紀(トランペット)
安藤友樹(トランペット)
青木 昂 (トロンボーン)
次田心平(チューバ)
行こうと思い立ったのが3日前。福井市は車で休憩なしで言っても3時間半。ちょっとした小旅行でした。


お昼に立ち寄った南条サービスエリア。すぐ出てくるだろうと思って頼んだ白エビのかき揚げうどんが20分かかったけど、かき揚げの分厚さに納得しました。
休憩を含めて4時間で着いた福井県のハーモニーホールふくいは、とても素敵なホールでした。ホールは噴水のある池の上にあるような外観でした。中もとても美しくて、パイプオルガンを背にしたステージはぐるりと観客席に囲まれたタイプ。ステージの後ろにも人が座れる、見てすぐわかる音響板があるようなタイプではなくて、こんなところで演奏出来たら気持ちいいだろうなぁ。客席にはシャンデリアがぶら下がっていて、豪華。

すごいキレイだから最近できたのかと思ったら、1997年らしいです。きれいに使っておられるのね。そして、そんな立派なホールが田んぼの中にポツンとある感じで、すごく素敵でした。
パイプオルガンを演奏する席の近くに譜面台を置いて、中空からホルンの音が聞こえてくるような不思議な空間でした。
演奏、とてもよかったです。金管楽器とパイプオルガンの相性ってものすごいいいんですね。
前半のホルン&パイプオルガン。とても楽しみにしていたブルックナーの7番と4番、心に染みました。バッハももちろん素晴らしかったです。
MCの中でブルックナーが交響曲の中でパイプオルガンの響きを再現?してるっていうお話をされてたんですけど、それはものすごく納得しました。
あの、天に召されそうになる和音(特にスタニスラフ・スクロヴァチェフスキとザールブリュッケンの交響曲第8番の第3楽章。今回の演奏会でやったのは7番と4番だから関係ないけど…)大好きです。天上に到達してキラキラと罪深き人類に許しを与えるかのように降り注ぐ光の粒のような音楽。わかる。
それをホルンとパイプオルガンでされるんですから、泣けますよ。
多彩な音を改めて感じました。
交響曲4番の冒頭のホルンのアレも、最高に繊細で美しくて最高。
曲の最後の伸ばしの消えゆくその音まで音楽。美しい。伸ばしたその音に心が震えます。
そして、後半の金管五重奏とパイプオルガン。
さらにさらにすごかったです。
キラキラしたトランペットの音が、もう教会感と宮廷感が増して、贅沢な響きの空間でした。
チューバが気が付いたらめちゃくちゃいい仕事してて、トロンボーンが渋みと気品と柔らかさを加えて、ホルンはホルンで最高のお仕事を……。はー……。よかった……。
とくに、サン・サーンスの第3番の「オルガン付き」をダイジェスト版で金管五重奏+パイプオルガンの編成でした。
これがめちゃくちゃ盛り上がるし、最高だし、もうパイプオルガンのジャーンってところから「きたきたきたー!!!」って感じでした。
もうクライマックスなんて、心がばーんっと開いてしまった感じで、そのあと2日ぐらい、何聴いても泣けてくるような状態になりました。
絶対サンサーンスの第3番、生でオーケストラで聞きたいなと思いました。
こちらのコンサートホールでやるなら絶対行く。大変だったけど、絶対行く。
そして、アンコール。
1月1日の能登半島の地震。鎮魂の思いも込めて、フォーレのレクイエムより「ピエ・イエズ」をホルン+パイプオルガンで。
これが、本当に最高でした。
ホルンの音は、きれいな密度の濃い音ではなくて、素人ですから単純に「福川さん疲れちゃった?」って最初思ったのですが、これが、疲れていた音だとしても狙った音だとしても、もう関係ないです。
心に寄り添う音楽とはこういうことかと思うほどに、美しく優しく染みる音でした。今思い出しても涙が出てきます。
後で「ピエ・イエズ」のホルン+ピアノの楽譜見つけたし、試聴もできたけど、違う。実際の曲も聞いたけど違う。こんなに、「聞いてください!」って歌手が歌うような表現じゃなかった。隣に座って寄り添って、さりげなくそこにあって、でもちゃんとそこにある、というような音楽だった。
こんな表現ができたら、最高だろうなぁと思いました。
そういえば、休憩中に近くにいたおじさまが「ホルンってこんなにいろんな音が出るんだなぁ」って言っておられたのが印象的でした。そうです。ホルンを好きになって帰ってね(^^)と何目線かわからない嬉しさがこみ上げてきました。
素晴らしい演奏会をありがとうございました。
ハーモニーホールふくいさんの他のコンサート情報を見ていて、すごく企画が面白そうだなと思いました。近くなら頻繁に行きたい。近くにあんな素敵なホールがあって、うらやましいです。
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