クラシック音楽館をいくつか撮りためていて、そろそろ消さなければならないので、内容を記録するとともに、感想なども残しておこうかと思います。
クラシック音楽館で好きなのは、リハーサル風景やそのときの指揮者の指示などに触れられたり、指揮者や奏者のインタビューなどが聞けることです。
それもちょっと残せたらなぁと思っています。
希望のシンフォニー オーケストラ・ショーピース
ベートーベン生誕250周年を迎えた年、オーケストラをつなぐ希望のシンフォニーとして9つのオーケストラがベートーベンの交響曲を演奏しました。今日はそのコンサートからオーケストラの個性あふれる演奏をお楽しみいただきます。楽団ゆかりの曲や指揮者との信頼が生む名演、若手との共演など。
クラシック音楽館 2020年11月1日(日)放送
クラシック音楽館 2020年11月8日(日)放送
クラシック音楽館 2020年11月15日(日)放送
クラシック音楽館 2020年11月22日(日)放送
名古屋フィルハーモニー交響楽団
指揮は川瀬賢太郎です。名フィルとはデビュー間もないころから共演を重ねてきました。2011年から始まった名コンビ。築いてきた絆は確かなものです。
(指揮者 川瀬さん)
彼らの家族に加えてもらって10年(2021年放送時)。ようやく今彼らのことがわかってきて、僕もちょっとずつやりたいことのパーセンテージを増やすことができて。名古屋フィルとの音楽を作り上げるというのが楽しい時なんですよね。手取り足取りデビュー当時から教えてくれて。それは音楽のことだけじゃなくて、言葉遣いとかそういったことから、今もなお教えていただいているんですけど。そういう意味ではお父さんお母さんと言ったオーケストラです。
コンサートの始まりの曲はオーケストラに敬意を表して選びました。1981年から6年にわたって、名フィルの音楽総監督・常任指揮者を勤めた外山雄三の「管弦楽のためのラプソディー」。そして、メキシコの作曲家アルトゥーロ・マルケスの「ダンソン第2番」です。
オーケストラでつなぐ希望のシンフォニー
外山雄三:管弦楽のためのラプソディ
アルトゥーロ・マルケス:ダンソン第2番
指揮:川瀬賢太郎
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団
2020年11月14日(土) 会場:愛知県芸術劇場コンサートホール
感想
外山雄三:管弦楽のためのラプソディ
やはりいいなぁ。血湧き肉躍るというか。もうこのリズムこのフレーズだけで、がっとテンションあがるとき、日本人だなぁとつくづく思います。海外の人はどんな風に聞かれるんだろうなぁ。素晴らしい演奏だと思いました。フルートのフレーズとか、ずっと聞いていたい。日本の原風景が見えるような素晴らしい演奏だと思いました。
これ、吹奏楽でもやった気がするんだけど、気のせいかな…。(編曲版は存在するようです)
アルトゥーロ・マルケス:ダンソン第2番
吹奏楽っぽい曲だなぁと思いながら聞きました。名古屋フィルってこういう、クラシックの古典的な曲じゃないほうが、似合ってるというか、こう、スマートというかカッコイイというか、ではないかとなんとなく思っちゃったり。
札幌交響楽団
現代音楽の武満徹が愛し、多くの武満作品を演奏してきた楽団です。お送りするのは武満が黒澤明のために書き下ろした「乱」組曲。この曲は札幌交響楽団を語るうえで外すことのできない作品です。
武満と札響の出会いは45年前。定期演奏会で自作をきき、その演奏に深い感銘を受けました。
1982年札響のために3つの新曲を書き、世界初演を行いました。武満は楽団の魅力をこう語っています。
札響の比類なさは何よりもオーケストラが理想として体現すべきアンサンブルの見事さである。ここには初々しい音楽へ向かう歓びの感情が未だに失われずにある
ー武満徹「札響と私」より
映画「乱」の音楽は当初ロンドン交響楽団での録音が予定されていました。しかし武満の強い意向で札響が録音することになりました。当時の音楽監督は岩城宏之氏。録音に立ち会った黒澤明も札響の音色を気に入ったそうです。
(黒澤明氏)すばらしいと思いますよ。音もいいし。特に管がすばらしいと思うしね。
(武満徹氏)プロデューサーなんかはロンドン交響楽団を使ってほしいって言ってたけど、ロンドンまで行くんだったら、北海道に行った方がいいと
オーケストラでつなぐ希望のシンフォニー
武満徹:「乱」組曲
指揮:秋山和慶
管弦楽:札幌交響楽団
2020年10月6日(火) 会場:札幌コンサートホールKitara
感想
武満徹:「乱」組曲
秋山先生指揮(^^)嬉しい。
初めて聞くかな。札響とのエピソードなど興味深かった。
冒頭の切り裂くような高音からうごめく低音でぐっとひきつけられました。かっこいい!
何か口ずさめるようなメロディがあるわけではないけど、次々に展開してく音のつながりとか重なりとかに引き込まれて、いつのまにか集中して聞いてしまっていたというような演奏だったなぁと思いました。
仙台フィルハーモニー管弦楽団
飯守泰次郎の指揮で、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。ソリストは第7回仙台国際音楽コンクールバイオリン部門で入賞した北田千尋です。
仙台国際音楽コンクールはユジャ・ワンや松山冴花を始め、数多くの演奏家を生み出した国際的なコンクールです。仙台フィルは第1回から協奏曲の伴奏を勤め、今に至るまで数多くの出場者を支えてきました。
(北田さん)コンクールの時にご一緒したのが仙台フィルの皆様で、そのときから本当にとても温かい方々で、私を成長してくださる大変得難い経験でした。
コンクール以来2度目の共演です。
非常にいいい緻密なアンサンブルを構築できたという声は、楽団員、飯守先生からもうかがっておりまして。コンクールの中で切磋琢磨した絆があったからこそだと思っています。
オーケーストラでつなぐ希望のシンフォニー 仙台フィルハーモニー管弦楽団
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
指揮:飯守泰次郎
ヴァイオリン:北田千尋
管弦楽:仙台フィルハーモニー管弦楽団
2020年10月15日 会場:名取市文化会館
感想
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
有名な協奏曲。出てきた時のソリストの笑顔が素敵だなぁと思いました。演奏は、いろいろ聞きすぎて、好みがはっきりある曲になってきてるなぁというのを再認識しました。
いろいろと余計なことに意識がとられてしまって、何度も現実に引き戻される演奏だなぁと思いました。
そんなにアンサンブルぴったりな感じはしなかったけどなぁ……。よくわからないや。
幸せそうな演奏なのは、とってもよかったと思います。
群馬交響楽団
英雄と共に演奏されたのが、ロディオン・シチェドリンによるベートーヴェンのハイゲンシュタットの遺書 管弦楽のための交響的断章です。
「ハイゲンシュタットの遺書」とはベートーヴェンが35歳の時に書き残された遺書。そこには耳の病に苦しむベートーヴェンの苦悩が赤裸々に記述されています。
「もっと大声で話してくれ、叫んでくれ、私は耳が聞こえないのだから」そう人に言うことはできなかった
自らの死を望みながらも芸術家としての使命に目覚め、渾身の交響曲「英雄」を生み出します。シチェドリンは絶望の底から英雄の作曲へと向かっていく途方もないエネルギーに魅了され、音楽で表現しました。
(高関氏)シチェドリンの曲も実は聞いていただくとわかるんですけど、ほとんどが英雄のモチーフから出来上がっているんですね。1楽章が多いんですけども、聞いてみていただけるとこれが英雄のここだというのがお分かりいただけると思います。その中で同じつながりでエネルギッシュな曲なので、今回やってみようとおもったわけです。
オーケーストラでつなぐ希望のシンフォニー 群馬交響楽団
シチェドリン:ベートーヴェンのハイゲンシュタットの遺書 管弦楽のための交響的断章
指揮:高関 健
管弦楽:群馬交響楽団
2020年9月17日(木) 会場:高崎芸術劇場
感想
シチェドリン:ベートーヴェンのハイゲンシュタットの遺書 管弦楽のための交響的断章
なんて素敵な企画的な選曲。このコンサート行って、一連の流れの中で楽しみたかったなぁ。
山形交響楽団
ヨハンシュトラウス作曲 ワルツ「芸術家の生活」と喜歌劇「ジプシー男爵」序曲です。
指揮は阪哲朗。ヨハン・シュトラウスの故郷ウィーンで演奏し、高い評価を受けました。
(阪氏)芸術家の生涯(生活)大好きなんですよ。この曲、黒か白だけじゃないんですよ。どこかに憂いがあったり…。
憂いがあると語る芸術家の生活。そこにはこの曲が作曲された1867年のウィーンの世相が影響しています。プロイセンとの戦争に敗れ暗いムードに包まれたウィーン。舞踏会の自粛が相次ぎ、町から音楽が消えていく。そんな時代にあえて初演しました。
(阪氏)ある種ベートーベンより難しいかもしれないです。ベートーベンは苦しみを表に喜びを表に出していい作曲家だと思うんですけど、ヨハン・シュトラウスの場合は、そこがかなり大人というか。いつも願望と現実、いつも違う二面性のようなものとか。仕方がない踊ろうというみたいなそういう風な、快晴で雲が全くなくて、という状態じゃない気がします。
暗い世の中にあって、明るくもどこか憂いのある曲を発表したシュトラウス。この時期に彼の創作は充実期を迎え、「美しき青きドナウ」などの傑作を生みだすのです。
オーケストラでつなぐ希望のシンフォニー 山形交響楽団
ヨハン・シュトラウス:ワルツ「芸術家の生活」
ヨハン・シュトラウス:喜歌劇「ジプシー男爵」序曲
指揮:阪 哲郎
管弦楽:山形交響楽団
2020年9月24日(木) 会場:やまぎん県民ホール
感想
ヨハン・シュトラウス:ワルツ「芸術家の生活」
阪氏のベートーベンについても取り上げて比較した言葉が面白い。この曲、ベートーベンの交響曲は第5番。苦しさと人生の歓喜を表現した傑作だと思うけど、「まぁ、苦しいことを苦しい、嬉しいことを嬉しいと言えるのはベートーベンならではだよね」みたいな解釈がなんか本当楽しい。シュトラウスは、しんどくても「楽しい」とニコニコしている大人の態度と思うと、「なんか明るくて好きじゃない」と思っていたシュトラウスの曲も新たな趣を見つけながら楽しめそうです。阪氏のことも好きになりました(笑)
ヨハン・シュトラウス:喜歌劇「ジプシー男爵」序曲
でも、まだシュトラウスの良さがわからない私……。いろんな表情があるなぁということがようやくわかってきたかも。ちょっとこういう感じのも演奏してみたいです。
大阪フィルハーモニー交響楽団・京都市交響楽団
関西の老舗オーケストラでシェフを勤める二人のマエストロの得意なナンバーをお送りします。
オーケストラでつなぐ希望のシンフォニー 大阪フィルハーモニー交響楽団
エルガー:弦楽セレナード ホ短調 第2楽章
指揮:尾高忠明
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
2020年9月10日(木) 会場:NHK大阪ホール(無観客)
感想
エルガー:弦楽セレナード ホ短調 第2楽章
もう冒頭から涙がぶわっと出てきます。美しすぎる。エルガーのこういうの本当にズルイ……。なんて優しい指揮でしょうか。関西の楽団がこういう抒情的で美しい曲をすれば、そりゃ私(一応関西の方の子)の感性にはドンピシャで、泣けてきます。これが無観客で……もったいない……。
そういえば昔はエルガーの弦楽セレナード、よく聴いたなと思い出したので、また聞きたいと思います。
オーケーストラでつなぐ希望のシンフォニー 京都市交響楽団
NHK大河ドラマテーマ曲集「花神」「国盗り物語」「麒麟がくる」
林 光:「花神」(1977年)
林 光:「国盗り物語」(1973年)
ジョン・グラム:「麒麟がくる」(1977年)
指揮:広上淳一
管弦楽:京都市交響楽団
2020年9月2日 会場:京都コンサートホール
感想
NHK大河ドラマテーマ曲集「花神」「国盗り物語」「麒麟がくる」
こんなキャッチーなのズルイ!「麒麟がくる」は広上氏が実際の録音に携わった曲。
「花神」「国盗り物語」とか知らないけど、大河はやっぱり名曲ぞろいですよね。かっこよい!!「麒麟がくる」はよく知っているけど、やっぱりこれも名曲だと思います。どれもこれも、ゾクゾクしました。大河テーマ曲コンサートとか行ってみたい。もっと普段からやってくれればいいのになぁ。
コメントを残す