エリザベス(1998年)

監督:シェカール・カブール
出演:
ケイト・ブランシェット/ジェフリー・ラッシュ/ジョセフ・ファインズ

16世紀、大英帝国の基礎を築いたエリザベス女王の数奇な半生を描いた映画。
友と遊び、恋をし、幽閉されながらも普通に生きてきたエリザベスが、処刑されそうになりながらも一国の王として時代を築きだすまでを描いた映画。
運命に翻弄される困惑した少女が、王として歩み始め、自分の中の少女と決別していく姿を描いたケイト・ブランシェットがとても美しい。2008年続編が映画公開された。

この『エリザベス』という映画は、『ロード・オブ・ザ・リング』のガラドリエル役でも有名になったケイト・ブランシェット主演の映画です。まわりの国の脅威からおびえるだけだったイギリスを、世界最強の国にした『エリザベス女王』を描いた映画で、私、この映画でケイト・ブランシェットの大ファンになりました!

その映画の中で印象的に使われているクラシック曲が2曲あります。

エルガーの「エニグマ変奏曲」より「ニムロッド」
そして、モーツァルトの「レクイエム」です。

どちらも後半に使用されています。「ニムロッド」は本当にその曲自体がとてもドラマチックであるのに加えて、使用されているシーン自体もドラマチックでかなり印象的です。

そして、モーツァルトのレクイエムは、ラストシーンで使用されています。
普通の少女であったエリザベスが、歴史の流れに翻弄され、様々な陰謀から生き延び、女性として誰かを愛することを捨てて、聖母マリア像の前で国民やイギリスのために生きる決心をし、『私はマリアになるわ』と言うシーンで流れます。
とあるレビューを読んでいたら、あんなところに「レクイエム」を使う意味がわからない。盛り上げるだけなら、シーンの意味を越えて「レクイエム」が勝ってしまう。というようなことが書いてありましたが、私はすごくこのシーンによく合った使い方だと思いました。
普通の幸せを願う女性の『死』と、国のために生きると誓った聖母の『誕生』には、ぴったりと合っているのではないかと……。
敬虔な気分にも、悲しい気分にも、そしてどこかで安らぎを感じる気分にもなりました。

曲紹介

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA