この『エリザベス』という映画は、『ロード・オブ・ザ・リング』のガラドリエル役でも有名になったケイト・ブランシェット主演の映画です。まわりの国の脅威からおびえるだけだったイギリスを、世界最強の国にした『エリザベス女王』を描いた映画で、私、この映画でケイト・ブランシェットの大ファンになりました!
その映画の中で印象的に使われているクラシック曲が2曲あります。
エルガーの「エニグマ変奏曲」より「ニムロッド」
そして、モーツァルトの「レクイエム」です。
どちらも後半に使用されています。「ニムロッド」は本当にその曲自体がとてもドラマチックであるのに加えて、使用されているシーン自体もドラマチックでかなり印象的です。
そして、モーツァルトのレクイエムは、ラストシーンで使用されています。
普通の少女であったエリザベスが、歴史の流れに翻弄され、様々な陰謀から生き延び、女性として誰かを愛することを捨てて、聖母マリア像の前で国民やイギリスのために生きる決心をし、『私はマリアになるわ』と言うシーンで流れます。
とあるレビューを読んでいたら、あんなところに「レクイエム」を使う意味がわからない。盛り上げるだけなら、シーンの意味を越えて「レクイエム」が勝ってしまう。というようなことが書いてありましたが、私はすごくこのシーンによく合った使い方だと思いました。
普通の幸せを願う女性の『死』と、国のために生きると誓った聖母の『誕生』には、ぴったりと合っているのではないかと……。
敬虔な気分にも、悲しい気分にも、そしてどこかで安らぎを感じる気分にもなりました。
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