チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 作品64

Tchaikovsky Symphony No.5

この曲について語られたことばたち

(ファビオ・ルイージ氏インタビューより)
チャイコフスキーの素晴らしさは、精神性の深さと非常に自伝的であることです。彼という人間が抱える問題が第5番と第6番に映し出されています。第5番は悲壮感や絶望のモチーフがあり、そうした感情が驚くほど巧みに表現されています。この作品は彼の人生そのもの。難解な作曲家ではなく自らの苦しみを物語る作曲家です。語るのは私の物語でも、私の解釈でもなく、ただ音楽の中にあるものを明らかにします。希望があるとはいいがたい交響曲ですが、希望が顔を出す瞬間はあります。例えば第3モチーフは優しさや優美さ、そして、ほほえみのモチーフです。ですが、全体的には非常に悲しい交響曲だと思います。つまり大いなる絶望の交響曲です。

クラシック音楽館 2022年1月23日(日)放送

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