ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調op.18

『のだめカンタービレ』5巻【二ノ宮知子】で千秋先輩がやってたやつです。もう、のだめを読んで一番聞いてみたかった曲ですよ!
シュトレーゼマンに「もっと色っぽく! もだえるように!!」とか言われてたんで色っぽい曲なんだろうかと、ちょっと気にはなっておりました。

これ、作中でも「有名だから聴衆の耳はシビアだ」と言われてるんですけど、曲が全然思い出せなかったんですよ。
多分聞いたことあるはずなんだけどなぁ・・・・・・。この作品を読む前から、ラフマニノフという音楽家自体は、何故か強烈に「ピアノ曲がとってもロマンチック」という風にインプットされているので、他の小説や漫画にも出てきたと思うんだけどなぁ。『あるとの「あ」』【赤石路代】(古い作品だな・・・・・・)かなぁ。

借りてきたCDではありましたが、さっそく聞いてみました。
もう序盤のピアノから、押し出されるように始まるオケの演奏に、鳥肌がぞわぞわぞわー!!

「のだめカンタービレ」の中でも、第1楽章の描写があるんですが、聞きながら読むと、「のだめカンタービレ」がどれぐらい「音」や「響き」を忠実に「絵」にしようとしているのかがわかって、感動しました。
まさにシュトレーゼンから波状に広がる斜線が音の響きをあらわしているようです。すごいな、これ。
そして、その音を聞いた途端にこみ上げるものがありました。おもわず拳に力が入ってしまう。
(この曲かっ!これかっ!! これは知ってる!!)
どこで聞いたのかは覚えていませんが、確かに知っている響きでした。口をあけたまま、曲は展開されたのです。

【第1楽章】(moderato[モデラート]:ハ短調、2/2拍子、ソナタ形式)
ピアノのピアニシモの音から始まり、それが一和音弾くごとに大きくなっていく。そしてオケの音の波が被さっていく。
低く響く音にピアノの音が飲み込まれる。ぞわぞわと底辺でうごめくオケの音が徐々に盛り上がり、聞く者の心臓をわしづかみにして揺さぶる。

口が開きっぱなしになった。音に、響きに、メロディの波につられて右腕がぴくぴくしてしまう。
ピアノが1人の人間で、オケのシンフォニーが「運命や歴史」というような感じかなぁなんて、唐突に思えたりして。濁流のような音の中にもまれつつ、ピアノはしっかりと生きてるんですよね。
時折力強くなって・・・・・・、抗ったり反ってみたり、共に流れになってみたり。そんなことを想像して聞いていると、とても胸が苦しくなりました。

【第2楽章】(adagio sosutenuto[アダージョ・ソステヌート]:ホ長調、4/4拍子、3部形式)
少し物悲しいメロディから入ります。ピアノとクラリネットの音がとても優しく、気持ちいい。
ピアノもなんであんなに軽く、でも、すごく切ない音が出るんだろうなぁ。そう、切ないのですけど聞いててうっとりするようなメロディです。
10分ちょっと前辺りからのヴァイオリンのメロディが、すごく綺麗です。木管の動きがとてもかわいいし。終盤に向けて少し軽く綺麗なメロディが続きます。

【第3楽章】(allegro scherzando[アレグロ・スケルツァンド]:ハ短調縲怎n長調、2/2拍子、ソナタ形式)
なんか突然かっこよくなりました(笑)。オケとピアノの掛け合いのところ、オケの低音がどすんっときて、ピアノが上から降りてくる、そのオケの響きが好きです。かっこいい。
1楽章とは違ったドラマティックさというか。ヴァイオリンのメロディが伸びやかで、それを繋ぐピアノのメロディとかが1楽章ほど悲愴的でなくて、とても気持ちいいです。両腕伸ばして、ふぁさーふぁさーって両方に振りたい感じですね。
第1楽章よりも「人」に近づいた感じがしたかなぁと思いました。聞けば聞くほど、気持ちがいい曲です。

(2004.05.09 記)

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